理系大学院への進学は最善の選択であるか

大学の研究室

「理系大学院への進学」これは理系大学生にとって大きな人生のターニングポイントなので、「理系大学院への進学は最善の選択であるか」について書き記していきます。

学生
学生

理系の学生ですけど、大学院に進学するかどうかで悩んでいます。

bel
Koji

大学院に進学するかどうかは大きな選択なので

なかなか決められない人も多いと思います。

学生
学生

何か良いアドバイスありませんか?

bel
Koji

学部によっては進学するのが当たり前みたいなところもあるので流されやすいですよね。

bel
Koji

大学院の進学はメリットとデメリットがそれぞれあるので、

私の経験も一部交えて説明していきます!

大学院のメリット

専門性を磨くことができる

研究室に所属をして2年~3年研究をしていれば一通り研究に関する専門性は磨くことができます!

研究室によっては会社でも似たようなソフトを使うこともありますし、

大学院で研究に長く携わり、研究に関しては突き詰めることをした訳なので実践経験があります。

もちろん学部生であっても実戦経験を積むことはできますが、

右も左も分からないところからのスタートなので、分析や解析などの技能があまり身につかないだけでなく、

研究に関して酸いも甘いも経験することも少ないのではないのでしょうか。

専門性を磨きつつ、将来のことを考える時間が欲しいと思う人には大学院は最適!

就活の際に選択肢が広がる

将来の進路選択に関して、理系は修士のほうが選択肢が広がると考えています。

就活では、人事部の採用担当者が「修士や学士は関係ない」と言っている企業が多いですが、

研究や開発以外の職であっても、

理系の技術職として就職するなら修士の学生が多いので技術職として将来も考えているのであれば大学院への進学は良いですね。

実際就活のときには修士はかなり強いと感じましたし、

たとえ技術職でなく営業や商品開発の職などでも修士だと年齢が懸念されるとかは全くなかったので就活については理系で修士は不利になることはなさそうに感じました。

今の時代大学進学率が高いので、学部卒の人との差別化を図るために修士号をとっておくのも後々便利かもしれません。

理系就活においては選択肢の多さは、修士>学士

大きな社会に出る前に、組織を経験できる

教授、准教授、講師、助教、ポスドクなどなど年齢が多岐にわたっていることもあり、部活やサークルとはまた異なった対応が求められるわけです。

さらに、先生やポスドクからしたら研究室=仕事なので、

一部普通の会社で行うことのようなことが行われています。

組織の動かしかたや年齢が離れた人との関わり方や適度な距離間の掴み方など、

社会に出る前に身に付けることができるのは重要なことだと思います。

社会に出る前に組織というものはどういうものなのかを経験できる。

就職の前に ”理不尽”を経験できる

研究室では理不尽なことがたくさんあります。

研究室のスタッフは仕事なので給料が発生していますが、それらの雑用を学生に押し付けてもそれは “教育” とみなされ、もちろん無給です。

学生はお金を貰っていないので、先生がやるべき仕事を無償でやる理由はないわけです。

ある程度データが揃ったら本来の目標である卒業論文や修士論文を書いて研究室生活を終わりにしてしまっても構わないわけですし、

給料が発生していない以上コアタイムに従う必要も本来はありませんね。

しかし、卒業論文や修士論文を提出するためには教授の目を通す必要がありますし、

卒業要件には「研究室でのゼミ発表」のようなものが存在しており、その評定を付けるのはもちろん自身の研究室の教授です。

つまり、ある程度教授の意向に沿わないと卒業できないわけです。

もちろんすべての研究室で当てはまるとは言えませんが、

こんな感じで教授も含め研究室の先生が学生の想いとは裏腹に好き勝手に研究室を運営することで、

社会に出る前に嫌でも理不尽を経験することができます。

研究室は「小さな社会」を経験でき、組織に関する学びになる。

大学院のデメリット

社会に出るのが遅くなる

メリットで就活のときの選択肢が広がると先述しましたが、

就職後に全く関係のない分野に転職をするとなったときに無条件で20代後半になってしまうのはかなりデメリットです。

実際、会社に入ったときに想像と違うとか、

性格に合っていない仕事だとそこで初めて気づくかもしれません。

そのときに転職しやすいのは間違いなく20代前半である学部卒の人たちなので社会に出るのが遅くなるのは転職がしにくくなるのではないかと考えています。

社会に出るときには20代半ばになってしまう。

思ったより研究で身に着くものが少ない

研究室で得られたことは大学院に特有なものでないと考えています。

もちろん研究を行うことで、PDCAサイクルを回してアプローチしたり、

資料作成が上手になったり、組織を経験できたり、理不尽を経験できたりしましたが、

別に研究室でなくてもこれらは経験できることですね!

もちろん研究室は過酷なので、研究へのアプローチや資料作成は格段に上達するというのは間違いないです。

研究室特有なモノとしては自分が扱ってきた分野に関わる知識や分析や解析くらいです。もちろん狭い領域の専門性は身に付きますが、全く馴染みのない分野はお手上げで、全く理解できません。
研究室で得られる専門性は狭い分野であり、他分野への応用は難しい。

私が大学院へ進学した理由

私が大学院へ進学した理由については、結論からいうと大学院進学がデフォルトだから。

旧帝大だけでなく、研究に力を入れている国立大学であれば当てはまってくると思います。

私が所属していたとことは大学院の進学を前提にカリキュラムが組まれていたこともあり、

学部3年当時、大学院に進学するメリットやデメリットに対して全く考えもしませんでした。

実際、修士1年での就活で大学院が必須ではない企業や職種もたくさんあり、

学部3年にしっかり進路について考えていたら今と全く違った職種で仕事をしていたかもしれません。

どちらの選択が良いかどうかは現時点では判別できませんが、

当たり前のレールに対して全く疑問を持たず、進学したことは愚かな選択であったと少し後悔しています。

大学院への進学は進路選択の上でしっかり考えるべき!

まとめ

大学院への進学はメリットとデメリットがあります。

研究が大好きで大学院に進学する人もいれば、なんとなく進学する人もいます。

研究室で研究を重ねて元々興味がなかった研究に興味を持つ人、逆に興味が薄れる人様々います。

何が正解なのかは誰にもわかりませんが、大学院への進学は結構重要なことなので自分で判断し、良い決断をしましょう!