研究室でうつ病になった体験談 身を守る方法【大学院・理系】

大学の研究室

私は以前、博士を目指していたこともあり、身を削って研究を行っていたところ

うつ病(実際には適応障害であると思われる)になりました。

もともと明るくうつ病からは遠いと自負していましたが、真面目な性格であるが故に起こったことだと思います。

実際、修士や博士課程で過酷な研究室に所属している人にとって、誰もがうつ病になる可能性があると思います。

それでは、自らの経験をもとにうつ病の過程や身を守る方法について説明していくのでぜひ見てください。

 

すでにうつ病にかかっている場合は、まずはメンタルクリニックなどを訪れることを勧めます。医師の診断書があれば、研究室の先生方も納得せざるを得ないので結果として身を守ることに大きく繋がります。

 

うつ病を引き起こした要因

  • 当時、博士課程への進学を考えていたことから教授に逆らうことができない。
  • 企業の共同研究を突然任される&卒論締め切り数週間前という状況
  • 無給で共同研究を行うことに嫌気がさし、「なんでこんなことをしているのか」と本気で考え、気分が落ち込む。
  • コロナ禍によりリフレッシュ方法がなくなる。
  • 研究室の先生方は学生のケアをしないので、私の症状に気づかない

 

約1か月にわたり頭痛が常に収まらず、辛すぎて毎晩家で涙が突然溢れてくる症状でした。

死んでしまいたいと思ったことも少しありますが、

「どうして研究室の先生のせいで苦しい思いをしているのに私がしなないといけないんだ!」

という思考ができる心の状況だったので踏み留まることができました。

bel
Koji

もともと自分はうつ病には無縁であると思っていました。

しばしば世間で言われている「今の時代誰がうつ病になっても

おかしくない」の意味を身に染みて感じました。

うつ病から身を守る方法

幸運なことに卒論提出後は友人たちとの卒業旅行や帰省により気分転換することができたので回復し、それ以降は健康な生活をおくれています。

自分の経験を踏まえてうつ病から身を守るために必要なことを紹介したいと思います。

  • 相手の顔色を過度に伺うことはせずに、断る勇気を持つ
  • 完璧主義にならずに、手を抜く部分を自分の中で決める
  • 「休学しても人生にさほど影響ない」くらいの気持ちで割り切り、自分を追い込みすぎない(実際には休学をしなくても)
  • 距離をとる。逃げる
  • 自分の弱さをさらけ出せる人をもつ (友人や恋人や家族)
  • 太陽の光を浴びる
  • 激しい運動を行う(球技、ランニング、水泳、筋トレなど)

研究室に限った話ではありませんが、人数が少ない組織である場合、

逃げ場が少なく、年配の人が力を持っているケースが多いので若手からすると肩身が狭くなりがちです。

「こいつは断ることをする人だ。」

という考えを先生に植え付けるのも身を守るためには重要になってくると思います。

バイトでも会社でも研究室でもあると思いますが、明らかに分担が一部の人に偏っていることがあると思います。

bel
Koji

誰も居ない深夜や休日にこっそり研究室に来ていることを先生に目撃されたりすると

注意かもしれません。………研究室はやりがい搾取のような部分はあると思うので。

結局、頼みやすかったり、先生方にとって都合の良い人に雑用を押しつけているような感じですよね。

先生がやるべきことをそれが当然であるかのように学生に押しつけている場合もあるので、

分担がおかしかったりすることは自分を守るためにも発言した方がいいですね。

また、自分を追い込みすぎないように手を抜くところは抜いたり、人に相談したり、

コロナや環境によって制限されても問題ないように多様なリフレッシュ方法を持っておくのも効果的だと思います。

研究室の問題点

研究には終わりがないので、新たなタスクが発表や提出期限ぎりぎりまで降ってきます。

これが本当に研究室のが悪いところであり、精神をすり減らしたり、疲れている学生が多い原因だと個人的に感じています。

研究は終わりがないので、たとえ発表できるような結果が出ても、先生に見せると

「まだ発表まで数日あるからこの結果を使って他の実験も行おう!」

と必ず言われます。これを繰り返すことで休日がつぶれたり、コアタイムを大幅に超えても家に帰れないことが起こります。

大学の先生には期限ギリギリまで使って、発表できるような結果をさらに突き詰めていきたいと思う気持ちがかなり強いです。それが例え共同研究先や卒業研究の進捗報告であってもです。

これを真正面から対応しているとかなりのストレスがかかってくると思います。

実際、これでうつ病になる人が多いと思いますし、休日や深夜実験を行ってでも研究をしたいと思わない限り、上手に迂回していくことが最善だと思います。

慣れてくると必ず期限まで先生が通してくれないのはわかってくるので、

良い結果をキープして、敢えて期限ギリギリに先生に見せることで追いタスクを避けていました。

最後に

研究室はうつ病の危険に常にさらされていると言っても過言ではありません。

悲しいことですが、学生は研究の科研費獲得や研究を進めるためのある種道具のようにとらえている先生が一定数いるのも事実です。

楽しく実験をやっていても先生からの圧力によってメンタルが病んでしまったら元も子もないので、

自分の研究室在籍の目的を明確にして (研究がしたい、とにかく卒業ができればいいやなどなど)、

目的を達成すれば先生にどう思われてもいいやくらいに割り切った方が精神的に楽であると思います。

研究室の先生の学生に対する過度なタスクの押し付けによって学生が潰れるケースが多いので、自分を守るために断る勇気を持って先生とは適度な距離感を保つことが重要です!