私は小規模で研究室のことを深く知ることができる研究室に3年間所属し、
現状では研究室の構造上「ブラック研究室がなくならないのは普通のこと」と感じました。
これから理由について詳しく説明していくのでぜひ読んでください!
ここでのブラック研究室の定義
ブラック研究室は私は「何よりも研究第一」というスタンスの先生の研究室であると考えています。
ブラック研究室は世間的には指導がなされないから大変である「放置系ブラック研究室」や
拘束や指導がきつすぎて大変である「激務系ブラック研究室」に大別されます。
各々のブラック研究室は以下のような特徴です。
- 放置系ブラック研究室:指導や拘束が少ないが、ディスカッションなどでは詰められ、高いレベルの研究成果が求められる。
- 激務系ブラック研究室:拘束が多く、プライベートに影響が及ぶほどバリバリ研究させられる。
教えてもらえない自分で調べて成果を出していかないといけない苦しさと、シンプルにプライベートの時間が確保できないという苦しさがありますね。
共通して言えることは、「研究第一主義」の研究室であるということです。
ブラック研究室がなくならない理由
ブラック研究室がなくならない理由としては、
研究室は以下のような構造になっているからです。
研究室には何人かの先生が在籍しており、それぞれの先生は大まかなテーマを持っています。
図に示すように、先生が持っている大まかなテーマの一部を
研究員や学生が担当しているパターンが多いと思います。
この構造により、残念ながら絶対にブラック研究室は残り続けます。
続いて、その理由について詳しく説明していきます。
研究を進めるため(学生の研究も先生のもの、先生の研究も先生のもの)
学生はそれぞれ研究テーマを持っていますが、そのテーマは結局、指導教員のテーマの一部です。
指導教員はテーマを使って研究費の獲得などに注力しています。
多くの研究費を獲得することで最近機器の購入も行えますし、
何より研究員を雇うことができ、研究自体が進み、先生が多くの業績を出すことにもつながります。
多くの業績と言っても実際にメインで手を動かしているのは下についている大学院生ということも少なくないので、結局は学生に手を動かしてもらうことに大きく依存しています。
かなり競争的なアカデミックのポスト争いを考えると、貪欲に研究を進めたいということで
学生を巻き込むことさえ厭わないこともあると思います。
早く教授になって自分の研究室を持ちたいと考えている先生にとって、
就活などで長期的に不在なのは痛手ということなんですかね。
そうは言っても、就活の制限をしたりなど
学生の将来を潰すようなことは絶対にしてほしくないですね。
共同研究先からの研究費獲得のため
無給の学生が企業と共同研究を担当していることもあります。
研究室運営の立場からしたら無給の学生で研究費を獲得できるのはオイシイことであるからです。
もちろん研究室によっては、直接のテーマに関係ない共同研究を行っている学生に対しては研究のアシスタント費用を払っている場合もあります。
しかし、現状、学生に対しては「研究指導」という名目でタスクを押し付けることは普通に行われていることです。
私と同じように既に本当はやりたくない企業との共同研究に取り組んでいる学生もいると思います。
その場合は、企業との共同研究を一つの経験としてぜひ就活に活かしてください!
私が実際に就活で企業との共同研究を活かしたことについては別の記事で紹介しているのでぜひ参考にしてください。
学生を無給の労働力として扱っている研究室も少なくないと思います。
まとめ
今回は、「大学のブラック研究室は残念ながらなくならない」ということについて自らの経験をもとに説明していきました。
研究室は、アカデミックの過酷な状況で研究成果を早く出したい先生に巻き込まれることで激務になることも多いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。