化学メーカー研究職が感じた大学での研究と企業での研究の違い

化学メーカー
Koji
Koji

こんにちは。化学メーカー研究職のKojiです。

Koji
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化学メーカーで研究をして大学での研究と異なると感じた点について紹介していきます。

安全対策

一番に違いとして感じることは、安全対策です!

大学の研究室で当たり前に行われていることが企業ではNGとなります。

例えば以下のようなものですかね。

  • 素手で実験する。
  • 掃除用にアセトンやエタノールなどの有機溶剤をまき散らす。
  • 爆発や破裂など危険すぎることだけ気を付けて、とりあえず実験を行う。
  • あまり危なくない実験の場合、私服で実験を行うことも多い。
  • 変な臭いがしても「なんだか臭うな。まあいいや」と判断する。

このような感じで、大学で研究をしていたときは、かなり自由にやっていた気がします。

ガラス器具は「滑りやすいし、ガラス器具は素手でさわるのが普通でしょ」が当然でしたが、

企業ではガラス器具一つであっても使用には注意が必要になります。

ガラス器具は割れる恐れがあるので、テフロンなどで代用し、極力ガラス器具を使用しないような試みが行われている企業もあります。

健康被害に関しても企業は避けなければならないので、怪しい気体や気化した有機溶剤を吸うことはかなり問題視されています。

研究室のときは、かなり気化したアセトンなどを吸っていたと思います。素手にアセトンが大量についていたことも多いです。毎日素手に有機溶剤がついて、手がボロボロになっていましたね。

長年そのような生活をしていたら健康被害は避けることができないと思います。

健康被害は世の中にでると企業の信用や人材確保に関わるので、

企業では有機溶剤も使用にはかなり注意が払われます。

「でも、逆にそんなことを気にしていたら効率よく研究できないじゃん」

と感じている人もいるとは思いますし、実際、その通りであると思いますけどね。

だた、怪我や健康被害が出たらかなり大きな問題となるので、企業はかなり慎重です。

Koji
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今では大学時代はよくあんなに危険なやり方で研究をしてたなぁと感じています。

「高純度で合成できれば良い」というわけではない

企業では「高純度で合成できれば良い」というわけでもありません。

具体的には以下のようなことも考慮する必要があります。

  • 合成するコストが現実的で、十分利益が見込めるか
  • 廃液処理が楽な方法であるか
  • 将来的にプラントとして製造できそうな実験かどうか
  • 使用用途として必要な純度かどうか、オーバースペックは不要

企業ではいくら高純度で化合物が合成できても、

処理が困難な廃液が大量に生じる実験や特殊なレーザーを使うなどプラントにしたときに実現できなそうな実験は出来れば避けたい傾向にあります。

また、いくら純度が良くても、使用用途として十分であれば別にオーバースペックは求められていません。

同等な廃液処理の手間であれば、それよりもコストを抑えられて簡単な方法のほうが好まれます。

しかし、研究室では、最終生成物の収率が良ければ、同じ研究の界隈ではかなり話題になり、

打倒その収率!

のようになると思います。

どんな方法を用いても最終生成物を作りたいと考えている人にとって企業での研究は退屈に感じる人がいるのも納得です。

Koji
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どんな方法でも今まで作られていないものを作りたいという想いの人にとって企業での研究はもどかしく感じると思います。

細かい分業が行われている

大学の場合、ほとんど自分が通して化合物AからBに変換するのに関わっているケースが多いと思います。

そして、全体のAからCの反応で見たときに多くの人が関わっているということになると思います。

一方、企業の研究の場合は、かなり分業が細かいです。

具体的には、以下の図のイメージです。

実験フローの中でかなり多くの操作に携わっている人もいれば、つまずきポイントのところをひたすら研究している人もいます。

大学で有機化学の研究を行っている人に関しては、

分業はかなり進んでいたという人も多いと思いますが、

企業は力を入れているプロジェクトがあると一気に人員を動員し、「これでもか!」というくらい分業します!

Koji
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企業では一気にお金をかけて人員を投入して、一気に研究を進めていくという感じです。

明確な目標がある

これは研究内容によって変わってはくることではありますが、プロジェクトに携わる人は

「〇〇までに〇〇を作れるようにする」

のような感じで明確な目標があります。

場合によっては数年かかるプランがあり、「それを達成するするためには今年中にはここまで進めないとな」のような状況もあります。

大学の研究室も莫大な資金を得てしっかりと目標を持ったプロジェクトを

行うこともありますが、

「いついつまでにこれを達成しないといけない」のような具体的な目標があることは少ないと思います。

結局は最終的に利益のために販売することを視野に入れているのかそれとも未だ解明されていないことを明らかにしていくことが目標であるかの違いですね。

早い話、企業は需要のあって長期的な利益につながるものを作ること、大学は、影響力のある論文が書ければよいということですね。

Koji
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企業研究と学術研究では機能が異なるので、最終目標も自ずと異なります。

情報共有が非常に活発

企業では情報共有が非常に活発です。

届くメールの数は就活のときを余裕で超えるくらいです!

情報共有が非常に重要であるので、

「とりあえずメールでCCに入れておくか」

のような感じで大したことがなさそうなことであってもとりあえずCCに微妙に関係してそうな人を入れるようにしています。

さらに、異常なほど会議が多いです。

世の中では無駄な会議が多いと揶揄されることがありますが、

会議が多い理由については以下のように考えています。

  • 自分の部署くらいは誰がどんなことをしているのかくらいは認知
  • 怪我や事故が起きたら問題になるので、怪我や事故を起こさないようにするための情報共有
  • 行っている実験の進捗の共有
  • イベントなどの情報共有

改めて会議が多い理由について記述をしてみると必要なことが多いように感じます。

自分の部署の把握に関しては別にしなくてもよいかもなーー

と思いますが、

基本的に連絡事項が多すぎて、メールなどの周知だと見落とす可能性が高いように感じます。

そのような原因から会議が多いのはやむを得ないのかなと感じています。

Koji
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化学薬品を扱っているので、安全の面からも情報共有は非常に重要になっています。

まとめ

Koji
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今回は、企業と大学の研究の違いについて紹介していきました。

Koji
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違いについて気になる大学生や大学院生にとって役に立っていただけたら幸いです。